8億回の鼓動

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高齢者虐待が注目された事件 〜地裁が泣いた介護殺人〜

今年も高齢者虐待調査結果が発表されました

H29年度の介護による殺人は28件

そのうち養護者による殺人が9件

心中が2件ありました

その数値は市町村から報告があったものだけなので

実数はどうなのか…

 

厚労省は、養護者が被疑者となっても

 「殺人は虐待に結果亡くなった」事案として扱い、

市町村に、調査の対象となると通知してます

 

皆さんは、「京都母子介護殺人」ご存知でしょうか?

そして、裁判のその後をご存知でしょうか?

 

当事者の息子さんは「自殺」という悲しい最後を迎えました

「一緒に焼いてください」と言うメモと

母親と息子をつないでいた「ヘソの緒」を残して…

 

2006年に起きた事件は

認知症の母親の介護のため

仕事を辞め、経済的にも精神的にも追い詰められた息子が

母親と心中をはかり

息子だけが生き残ってしまった事件です

 

裁判官は「お母さんのためにも幸せにいきてほしい」と言い

執行猶予つきの判決を下しました

 

そしてその後

事件当時、無職だった息子も職についていたようですが

景気悪化による雇用調整のため無職にー。

 

介護を終え、気がつけば孤独で自身も老い、

最後は母を想い、自殺。

 

結局社会は、彼を救うことはできなかった。

 

そして、支援をしていた人も福祉の世界から去ったと聞きました。

 

私は考えました。

この事例に、正解はあったのかとー。

 

支援当初、この親子は生活保護を受けようとしたそうですが

2人暮らしでは受けることができなかったようです。

もし、

息子が母親と離れ、2人離れて生活保護を受けていたら

2人は幸せに暮らせていけたのでしょうか?

今でも命は続いていたのでしょうか。

 

高齢者虐待対応で「やむを得ない措置」という、

行政が行う保護のための措置があります。

いったん養護者と高齢者を引き離し、それぞれの生活を立て直し

お互いの関係性も再構築するのですが、

成功した例はどれほどあるのでしょうか

生命の危機にさらされている場合などは

ためらっている場合ではないのですが

ふと、

「これでよかったのか、、、」

真綿に絞殺されるような息苦しさを感じます

重いもやもやが胸に残ります

 

忘れることのできない、いつも考えさせられる事件です